高さ 5.7cm / 幅 20.5cm / 奥行 35cm
 値段 36,000円(消費税別)


涅槃釈迦像  ー偉大なる終焉ー

仏教の開祖として、魂の救いを説き続けた釈迦が、80年の生涯を閉じたのは、紀元前484年生地ルンビニイに近いクシナガラの近郊においてであった。その日釈迦はひどい下痢におそわれていたが、阿難の助力を得て、カクッター河の清流で身を清めると、河畔のサーラ樹林へはいっていった。そこで4本の木で囲まれた小さな空地に、頭を北に向けて身体を横たえると右脇を下に、足の上に足を重ねて静かに目を閉じ、まもなく息をひきとった。サーラ樹はいっせいに時ならぬ 純白の花を咲かせ、そして散らして、釈迦入滅(しゃかにゅめつ)を哀惜した。

パキスタンのペシャワル博物館の涅槃浮彫りは、ガンダーラ美術の代表的な浮き彫りです。紋様入りの敷物を掛けた寝台の上に、釈迦は右手を枕にし、双足を重ね合せて、静に横臥する。周りには、仏弟子やクシナガラの王侯、貴族などが、悲嘆にくれている姿を表わしている。日本では、奈良県・法隆寺の涅槃釈迦像(白鳳時代・国宝)が最も有名です。棺に横たわり、蓮華を枕に多難、満足の一生を終わろうとする釈迦仏は、静かな眠りにつく如く、安らかな表情です。