■梵字とは世界最古のフェニキア文字が起源です。このフェニキア文字が紀元前8世紀頃に古代印度にもたらされ、次第に発達してブラフミー文字となり、その後南北両系に分かれ多数の書体を産み出しました。その中でインド北方系で次第に形態を整えたグプタ文字が、さらに4世紀頃にデーヴァ・ナーガリー文字として完成されました。
■このデーヴァ・ナーガリー文字によって、書かれた多数のスートラ(経典)のうちの一部が、いわゆる「お経」としてその文字と共に仏教の教義として中国にもたらされました。(三蔵法師や孫悟空が登場する「西遊記」はありがたい「お経」をはるか印度まで授かるために行った苦心談です。)
それらの経本に書かれた文字は、中国で改良され、日本に渡ってさらに日本風にアレンジされました。これが梵字というものなのです。
■現在、一般の人が身近に接する事が出来る梵字は、全国各地の寺院等にある「五輪塔」や、ご先祖を供養するための「位牌」の上頭文字として書かれたものでしょう。
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